
「真鶴出版2号店ができるまで」を詳細に記録した『小さな泊まれる出版社』、
ついに3刷目が完成しました。
今回も、使用している紙を変えたり、
帯を新たに作成したりなど、
アップデートされた仕上がりになっています。
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読んでいると、胸の奥のほうがざわざわと揺さぶられた。 きっと、心の隅でずっと自分がやりたいと憧れていた 出版のあり方が詰まっていたからだろう。 美しくかわいいページ構成。
「移住者を増やすのではなく、好きな人を増やす」。 とてもいい言葉。
愛と血の通った、とても素敵な本だった。
───三島邦弘[ミシマ社代表]
自分たちの町の魅力を
つねに旅人と
意識できる仕組み。
小さな、泊まれる、出版社。
いいね。
───ナガオカケンメイ[デザイン活動家/D&DEPARTMENT創設者]
ひとりで出版社に泊まった!!
真鶴の夜は、まるでイタリアの世界遺産マテーラみたい。崖沿いの家々に灯りがともり、その向こうにお月様。電車のゴトンゴトンという音がかすかに伝わってくる。飽かず眺めた。
そして朝、また背戸を通って、海まで降りる。女性の釣り人二人、新しい拠点づくりの人たち、角打ちのできる酒屋、地物の寿司屋、面白い人でいっぱいだった。おお、あの黄金の時間よ。また……。
───森まゆみ[地域雑誌『谷中・根津・千駄木』編集人]
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この本では、真鶴との出会いから始まり、二〇一七年一月から始まった「真鶴出版2号店」をつくる物語を中心に掲載しています。小さな町にある、木造二階建ての小さな家。その家を同世代の建築家トミトアーキテクチャ(以下トミト)と、地元の職人チームと協力して改修した話です。
真鶴出版を進めるにあたっては、たくさんの本や雑誌を参考にしました。それでもまだ地方での仕事づくりに関する情報は少ないと思います。これらの過程で私たちが何を考え、どうつくったのか。予算やスケジュールなどなるべくリアルな情報も載せました。
そしてそこから見えてきた可能性を「小さな町で見つけた未来」としてまとめました。これらの話は、地方での仕事づくりでの話に留まらず、新しいローカルメディアのカタチを模索する話でもあり、これからの建築についての話でもあります。トミトと取り組んだこの一連の取り組みは、地域の自治的な活動を支援する「LOCAL REPUBLIC AWARD 2019」において、最優秀賞を受賞することができました。
この本が、同じように地方で仕事に取り組んでいる人たちはもちろん、これからどうやって生きるか悩んでいる人たちに寄り添い、一緒に併走するものになれば幸いです。
(「はじめに」より)
《小さな泊まれる出版社 もくじ》
はじめに
column 真鶴のこと
泊まれる出版社をつくる
プロジェクトメンバー
1 真鶴に来るまで
2 泊まれる出版社のはじまり
3 背戸道の家とトミトアーキテクチャ
4 どんな場所にするのか?
5 怒涛の工事期間
資料 設計図の変遷
資料 予算と実績
資料 スケジュール
column 『美の基準』のこと
小さな町で見つけた未来
対談 コトと向き合う建築家(建築家・トミトアーキテクチャ)
対談 ポップとソーシャルのあいだ(写真家・MOTOKO)
細部にある物語
建築写真(写真家・小川重雄)
おわりに
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体裁:A5変形
ページ数:176ページ
本体価格:2860円(税込)